report オリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会速記録第二十七号 2019年6月26日

出席委員 23名

委員長
小山くにひこ君
副委員長
高倉 良生君
副委員長
伊藤 ゆう君
副委員長
吉原 修君
理事
うすい浩一君
理事
両角みのる君
理事
石川 良一君
理事
山崎 一輝君
理事
あぜ上三和子君
 
藤井あきら君
 
池川 友一君
 
細田いさむ君
 
おときた駿君
 
川松真一朗君
 
白戸 太朗君
 
とや英津子君
 
入江のぶこ君
 
山口 拓君
 
里吉 ゆみ君
 
中山 信行君
 
桐山ひとみ君
 
木村 基成君
 
高島なおき君
欠席委員
なし

出席説明員

オリンピック・パラリンピック準備局

局長
潮田 勉君
次長理事兼務
延與 桂君
次長
岩瀨 和春君
技監
荒井 俊之君
理事
西村 泰信君
理事
中澤 基行君
総務部長
中村 倫治君
調整担当部長
菅原 雅康君
大会企画調整担当部長
中嶋 初史君
自治体調整担当部長
小池 和孝君
計画推進部長
田中 彰君
運営担当部長
末村 智子君
運営調整担当部長
三浦 幹雄君
ボランティア担当部長
小高 都子君
競技・渉外担当部長
川瀬 航司君
事業推進担当部長
丸山 雅代君
パラリンピック部長
越 秀幸君
障害者スポーツ担当部長
加藤 みほ君
大会施設部長
鈴木 一幸君
開設準備担当部長利用促進担当部長兼務
鈴木 研二君
施設担当部長
湯川 雅史君
施設整備担当部長
草野 智文君
選手村担当部長
斉藤 有君
スポーツ施設担当部長
藤木 仁成君
輸送担当部長
村田 拓也君
輸送担当部長
佐久間巧成君
スポーツ推進部長
小室 明子君
ラグビーワールドカップ準備担当部長
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務
田中 愛子君
ラグビーワールドカップ事業調整担当部長
ラグビーワールドカップ準備担当部長兼務
篠 祐次君
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務
関口 尚志君

本日の会議に付した事件

二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九™の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。

報告事項

  • ラグビーワールドカップ二〇一九™における都のセキュリティ・医療対策について(説明・質疑)
  • ラグビーワールドカップ二〇一九™に関わる都の主な取組について(説明・質疑)
  • 東京二〇二〇大会の競技会場等における仮設施設整備(その二)について(説明・質疑)
  • 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会輸送連絡調整会議について(説明・質疑)
  • 持続可能性進捗状況報告書について(質疑)
  • 東京二〇二〇オリンピック競技大会の競技スケジュール(種目実施日程)の公表について(質疑)
  • 東京二〇二〇大会の競技会場等における仮設施設整備について(質疑)
  • 東京二〇二〇大会開催準備に関わる主な取組(令和元年六月時点)について(質疑)
  • 東京二〇二〇オリンピック聖火リレー巡回順等について(質疑)
  • 東京二〇二〇テストイベントについて(質疑)

発言の抜粋

石川委員
ラグビーワールドカップについて質問させていただきます。
 本年九月二十日、アジアで初めての開催となるラグビーワールドカップ日本大会の開幕までいよいよ百日を切り、きょうで八十六日ということになるかと思いますけれども、東京丸の内では、開催までの残り時間を示す電光掲示板、カウントダウンクロックが披露されました。
 また、大会のトロフィーも、イギリス、中国、アルゼンチン、アメリカなど十九の国と地域を回り、日本に到着をし、開催十二都市や広島県、長野県などを回り、機運醸成に努めることとなっております。
 また、都内の試合会場周辺市やキャンプ地などでは横断幕も張り出され、開幕ムードの演出も始まっております。
 そんな中で、大会組織委員会の嶋津事務総長は、ラグビーワールドカップ開幕まで百日前インタビューで、チケット百八十万枚のうち百四十万枚が販売をされ、国内で七割、海外で三割の比率であることを報道陣に語りました。そして、嶋津事務総長は、全試合満員にしたいとも語っております。
 嶋津事務総長だけでなく、私どもも全試合満員にしたいと考えておるところでございますけれども、チケット販売促進におけるこれまでの取り組みについて伺います。
篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ事業調整担当部長ラグビーワールドカップ準備担当部長兼務
ラグビーワールドカップ二〇一九のチケットにつきましては、組織委員会が昨年一月に先行抽せん販売を開始し、その後、順次、一般販売を行っており、都は、組織委員会や他の開催都市とともに、ポスターやPR動画を展開するなど、販売促進を図ってまいりました。
 また、ことし一月の第二次一般販売や五月の第三次一般販売に合わせて、都内において、都と組織委員会が共催でイベントを開催するなど、連携してPRに努めてまいりました。
 組織委員会によりますと、チケット販売は、販売開始以来、過去大会と比べても非常に好調に推移しているとのことでございます。
 組織委員会は、今後、八月に第四次一般販売を開始するとのことであり、同月から全開催都市で展開を始める街灯フラッグなどの都市装飾とあわせ、大会に向けた機運醸成を図るとともに、チケット販売の促進につなげてまいります。
石川委員
チケット販売も好調ということでございまして、残りの四十万枚は完売されるんではないかと、このように思っております。
 ただし、会場を満席にするのは、チケット一〇〇%販売後の次なる課題というふうにいえるんではないかなと思います。
 五万人のスタジアムの熱気が伝わるか否か、あるいはまた、各地方の大会会場の熱気が伝わるかどうかは、まずは、本当に会場に多くの人が駆けつけていただけるのかどうか、このことに左右されるわけであります。
 チケットが完売をしても満席にならないケースなど、さまざまな大会等で見受けられますが、開幕戦や決勝戦などはなかなか考えにくいわけですけれども、地方大会のスポンサー割り当て席などについては、しっかり満席にしていただく努力を組織委員会に働きかけをしていただきたいと思います。
 一方で、十七日、チケットのデザインが発表されました。青、赤、紫を基調にした三種類で、金びょうぶと伝統的な日本絵画の武者絵をイメージしたラグビー選手を描き、購入者にランダムに割り当てられ、七月下旬には発送されるとのことであります。すてきなデザインのチケットも、大会が終わってもそれを保持することで、よき思い出、心のレガシーとなることを願っております。
 次に、多摩会場のファンゾーンについて伺います。
 調布駅前のファンゾーンでは、当初はグリーンホールでパブリックビューイングを実施することとし、屋外での実施は予定をされておりませんでした。二月一日の本委員会の質疑で、私は、調布駅前ではグリーンホールだけではなくて、屋外広場のパブリックビューイングも必要で、来客数に合わせた柔軟な対応が可能と考えますが、都の見解を伺いますと質問したところ、都からは、多摩会場については、来場者に合わせた柔軟な対応ができるという屋外の特性を含め、周辺施設や地元市等とも調整を図り、さらなる盛り上げについて検討していくとの答弁がありました。
 私も、ぜひ屋外でのパブリックビューイングを実施してもらいたいと強く求めてきたわけでございますがゆえに、実施をするということになりまして、このことはまず高く評価をさせていただきたいと思います。
 多摩会場でのパブリックビューイングは、屋内では調布市グリーンホール、屋外ではトリエ京王調布B館壁面スクリーンと、調布駅前広場ステージビジョンの三カ所で行うことになっております。
 調布市グリーンホール大ホールは、九月二十一、二十二、十月二十六、二十七、十一月二日は使用できないとのことであります。
 そのかわりに、調布市グリーンホール小ホール、調布市文化会館たづくり大会議場、調布市クレストンホテル宴会場が代替施設として用意をされておりますけれども、調布市グリーンホール大ホールは千三百七席、小ホールは三百席となっていますが、調布市グリーンホール大ホールの代替施設のキャパシティーについて伺います。また、三つの施設全てを同時に借り切るのか伺います。
田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務
調布市グリーンホール大ホールの代替会場でございますグリーンホール小ホール、調布市文化会館たづくり大会議場、調布市クレストンホテル宴会場は、いずれも二百平方メートル程度の広さでございまして、収容人数は二百人から三百人でございます。これら代替会場につきましては、一カ所または二カ所で開催をします。
 さらに、できるだけ多くの来場者に試合を観戦していただけるよう、調布市駅前広場におきまして、ステージビジョン及び壁面スクリーンを利用したパブリックビューイングを実施することとしております。
石川委員
ラグビーワールドカップの準決勝や決勝戦は、千三百七席あるグリーンホールの大ホールは使えないという、そういっためぐり合わせで、佳境に差しかかったところでホールが使えないのは、極めて残念なわけであります。
 三施設を借りるとしても、千席に満たない数字なわけでありまして、それでも、少しでも多いにこしたことはありません。二施設といわず、ぜひ三施設を借り切ることも検討していただきたいと思います。あわせて、車椅子席なども十分に用意をしていただきたいと思います。
 グリーンホール大ホールにかわる施設の決定時期、いつごろ決定されるのか、これについても伺います。
田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務
都は、本年四月にラグビーワールドカップ二〇一九ファンゾーンin東京運営計画(案)を策定しまして、組織委員会に提出したところでございます。
 本年七月に承認を得ることを目途に、現在、代替会場も含め、組織委員会やラグビーワールドカップリミテッドと協議を行っているところでございます。
石川委員
調布会場のファンゾーンは、調布市だけではなくて、多摩地域全体をフォローするパブリックビューイングでもあるわけであります。都民に、どの施設でゆったりと座って観戦や応援ができるか、決定し次第、知らせていただきたいと思います。
 調布駅前のファンゾーンにおける屋外のパブリックビューイングについては、映像の精度と音声などはどのような取り組みとなるのかお伺いをいたします。
田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務
ファンゾーン多摩会場における屋外パブリックビューイングについては、ステージビジョンによる放映と、日没後の壁面スクリーンに試合を投影して実施する二つの方法を予定しております。
 ステージビジョンにおきましては、液晶ビジョンとスピーカーを設置して実施し、壁面スクリーンにつきましては、高精度のプロジェクターを活用して映像を映し、スピーカーにより音声を流すことで実施してまいります。
 なお、調布駅前広場では、ステージビジョンによるパブリックビューイングを昨年十一月のテストマッチにおいて実施しておりまして、また、壁面スクリーンにつきましては、民間団体が同様の方法で映画上映を実施した実績がございまして、いずれも来場者から好評であったと聞いております。
石川委員
壁面スクリーンも既に実績があるということで、安心をいたしました。屋外ということで、雨や風、天候にさまざまな影響を受けるということも予想されるわけでありまして、全天候に対応できるような体制をお願いしたいと思います。
 次に、区市町村の大会期間中のパブリックビューイングの予定と都の支援策について伺います。
 また、区市町村のパブリックビューイングの予定を集約して、都が中心となって都民に発信をしてほしいと考えますけれども、この点についても伺います。
田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務
区市町村によるパブリックビューイングは、大会主催者であるワールドラグビーから権利を得た事業者が策定するガイドラインに基づき実施するものでございまして、現在、区市町村が実施日程や会場等の内容について検討しているところでございます。
 都としましては、大会の盛り上げにつなげるため、パブリックビューイングの実施に必要となる会場使用料や放映のライセンス料、運営費等の開催経費の助成を行います。あわせて、街灯フラッグや横断幕等を活用した区市町村による都市装飾にも助成を行い、地元の盛り上げに対する支援を実施してまいります。
 さらに、開催が決定したパブリックビューイングにつきましては、都のホームページやSNS等を活用し、開催日程や会場等を広く周知し、集客への支援も行ってまいります。
石川委員
高齢者の方や障害をお持ちの方などが、有楽町でも、また、調布会場のファンゾーンよりも近くでパブリックビューイングを楽しめれば、それにこしたことはないわけでありますので、よろしくお願いいたします。
 組織委員会は、開催十二都市で一万人の大会ボランティアを募集し、三万八千人を超える応募があり、面接などで一万三千人を採用し、うち千二百人をチームリーダーとしたわけであります。
 大会期間中、東京会場では二千四百人のボランティア、チームノーサイドが活動することになっております。ラグビーワールドカップリミテッドのラグビーワールドカップボランティア活動に関する考え方によりますと、大会ボランティア、チームノーサイドは、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会の運営に参加できる唯一のボランティアであり、したがって、他のボランティアが本大会の運営に参加すること、また、参加しているように見える活動は遠慮いただくということになっております。
 一方、ファンゾーンが設置される調布市では、観光案内など四百人のボランティアの研修を進めております。ラグビーワールドカップのボランティアと各自治体のボランティアは別物とのことで、一線が画されているわけでありますが、次はオリンピック・パラリンピックが待っているわけであります。
 自治体のボランティアとの連携やすみ分けのあり方を、ボランティアを地域のレガシーとするためにもさらに推進をしていただきたい、このことを求めておきたいと思います。
 組織委員会が独自に追加確保した公認チームキャンプ地の地元自治体と都の連携について伺います。
関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務
大会期間中に出場チームが練習及び調整を行う公認チームキャンプ地につきましては、組織委員会が公募を行い、立候補し選定された自治体のキャンプ地と、組織委員会が独自に試合会場周辺で追加確保したものがございます。
 公認チームキャンプ地の自治体につきましては、滞在チームと地域住民等とが交流いたします地域交流事業を、滞在チームの了解を得て行うことができます。
 組織委員会が追加確保した公認チームキャンプ地の地元自治体においても、同様に地域交流事業を実施することができることとなっておりまして、現在、都は、地元自治体と連携して、組織委員会と調整を行っているところでございます。
石川委員
公認キャンプ地と同じように、追加確保した公認キャンプ地でも地域交流事業が開催できることがわかりました。
 そこで、試合会場の周辺市やキャンプ地などでは、ファンゾーンでの物産販売などへの期待が高まっておりますけれども、計画案では地元物産は紹介にとどまっていますが、販売は可能ですか。
田中オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長ラグビーワールドカップ事業調整担当部長兼務
都のファンゾーンにおいては、地元の観光PRや名産品の紹介等を行うことにより、外国人を含めた来場者に対し、都の魅力を広く発信することとしております。
 名産品等の販売につきましては、ファンゾーンの集客に資することや、コマーシャルパートナー等の権利を侵害しないこと等を要件としまして、ラグビーワールドカップリミテッドの承認を得たものに限り、実施することが認められております。
 このため、都内区市町村にPRブースの出展を募ることに合わせまして、販売を希望する名産品等について調査を行い、今後、組織委員会を通じて申請を行う予定でございます。
石川委員
組織委員会に申請を行うことで、スポンサーの権利を侵害しない範囲で、審査の後、可能であるということがわかりました。地元としては、このことについて期待が大きいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 次に、交通対策について伺います。
 昨年十一月のラグビーテストマッチによりますと、飛田給駅の交通分担率は、入場時は八六・七%、退場時も六九・八%となっており、交通対策上最大の課題は、先ほども質問がありましたけれども、京王線の飛田給駅に、大会開催前は下りに、開催後は上りに人が集中することなく、安全に、しかも過剰な混雑をさせないことにあると考えるわけであります。
 さまざまな工夫をすることが求められてきたわけですが、改めて具体的な内容を確認させてください。
関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務
先ほど京王飛田給駅の退場時の混雑についてご答弁させていただいたところでございますけれども、飛田給駅の混雑緩和に向けましては、入退場時間の分散とアクセスルートの分散が必要でございます。
 このため、都は、組織委員会と連携し、会場に隣接するスポンサー活動エリアで試合前後に開催されるイベントをあらかじめ周知いたしまして、入退場時間の分散を図ってまいります。
 また、飛田給駅方面への観客の集中を緩和するため、退場時間帯のシャトルバスにつきましては、入場時間帯の四路線に加え、復路はJR武蔵小金井駅行きの路線を設定することとしております。
 これらの利用促進を図るともに、シャトルバスの発着地である調布駅前で開催されるファンゾーンや、飛田給駅以外の最寄り駅までの徒歩動線を周知することなどによりまして、アクセスルートの分散にも取り組んでまいります。
石川委員
私も先日ちょっと飛田給駅周辺を実際に見てきたわけでありますけれども、飛田給駅のホームドアは、一部を完成している状態ですけれども、上り下り全体が完成するのはワールドカップ前の九月一日ということでございまして、安全対策が講じられるわけでありますけれども、構内の構造が変わるというのが直前ということでもございますので、ぜひ万全の体制で臨んでいただけるように調整をしていただきたいと思います。
 西調布駅から東京スタジアムまでの距離というのは九百四十二メートル、これは徒歩で約十二分、西武多磨駅から東京スタジアムまでは一・九キロありまして、徒歩で約二十三分ということでございますけれども、新宿から行きますと、飛田給よりも一駅先の武蔵野台という駅がありますが、この駅、いろいろ資料、地図にはちょっと出ていないんですけれども、すぐ隣にあるところでして、この地図から見ますと、一・六キロで十九分で行けるという距離にありまして、多磨駅よりは近いわけでありまして、西調布駅とそんなに大きく変わるわけではないわけです。
 いろいろと積み上げてきたわけでありますが、京王線の武蔵野台駅からの徒歩によるアクセスルート、ぜひまた、これも検討していただきたいというふうに思いますけれども、この点について伺います。
関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務
東京スタジアムの最寄り駅を含め、公共交通機関の活用につきましては、交通事業者や関係機関で構成いたします東京スタジアムの会場周辺及びアクセス検討PTにおいて議論を行ってまいりました。
 この議論を踏まえまして、昨年三月に策定いたしました東京都交通輸送基本計画において、最寄り駅を京王線の飛田給駅と西調布駅、そして西武多摩川線の多磨駅といたしたところでございます。
 飛田給駅と同じ京王線沿線である武蔵野台駅からの歩行ルートにつきましては、徒歩で約十九分かかるということ、また、広い道路がなく、住宅街を通行することから、多くの来場者の歩行動線としては課題があると考えております。
石川委員
前に私は、南武線からもぜひシャトルバスなどというような提案もさせていただきましたが、採用されなかったわけでありますけれども、武蔵野台駅からはまさにラストマイル、まさに一マイルなんですね。ちょうど一・六キロ。このところをやっぱりきちっと活用するというのは、地図には抜けていますけれども、あの辺に住んでいる人はよくわかるのではなかろうかなと。ちょうど甲州街道ともきちっとアクセスできるわけでありまして、この辺についても、オリンピック・パラリンピックも控えているわけでありますので、ぜひ改めて検討していただきたい。
 実際に、人はもう当然歩くわけで、西調布や、このルートで示されたところよりもむしろスムーズに行けるわけであります。特に下り方向に対する活用ということも非常に大事な視点でございますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
 さまざまな工夫をすることが求められるわけでありますけれども、改めて具体的な内容を確認させていただきたいと思います。
 次に、来年の夏、東京で開催されますオリンピックのラグビー競技の詳細な日程が発表されたわけであります。会場は約五万人収容の東京スタジアムで、男子が七月二十七日から二十九日、女子は七月三十日から八月一日に実施することが決まったわけでありますけれども、今回はタイムスジュールも発表されました。連日午前九時にキックオフになり、午後は夕方四時半から行われるわけであります。
 チームジャパン二〇二〇男女七人制日本代表の岩渕健輔総監督は、このたび、日程の詳細が発表され、より一層身の引き締まる思いです、我々の目標であるメダル獲得に向け、日ごろからグラウンド内外問わずアイムジャパンを常に意識して、選手、スタッフが一丸となり、精進してまいります、引き続き、ご支援のほどよろしくお願い申し上げますとコメントを出しております。
 七人制ラグビーは、我が国ではまだなじみが薄い競技で、十五人制ラグビーとの違いもよく理解をされていないのが実情かと思います。
 ただ、多摩地域で開催される数少ない競技でもあり、ラグビーワールドカップ後に開催されるというありがたいめぐり合わせでもあるわけであります。テストイベントは、二〇二〇年四月二十五日から二十六日で、東京スタジアムで二試合が行われる予定になっておりまして、ワールドカップ終了後、半年後に実施をされるわけであります。
 また、パラリンピックも、場所は国立代々木競技場でございますけれども、車椅子ラグビーも開催をされるわけであります。
 ラグビーワールドカップをオリンピック・パラリンピックのラグビーの人気につなげていかなければならないというふうに思うわけですけれども、ラグビーワールドカップからオリンピックのラグビー、パラリンピックの車椅子ラグビーまで、横断幕や街灯フラッグで装飾するなど、連続した機運醸成ができないのかお伺いいたします。
丸山オリンピック・パラリンピック準備局事業推進担当部長
ラグビーワールドカップ及びオリンピック・パラリンピックの装飾については、それぞれのルールに基づき、期間を決めて実施するものであり、大会終了後は撤去する必要がございます。
 しかしながら、両大会を切れ目なく盛り上げていくため、産業労働局において、都内の商店街に掲出したラグビーワールドカップのフラッグを、大会終了後、速やかに東京二〇二〇大会のフラッグに転換する予定でございます。
 また、地元自治体では、ラグビーワールドカップの機運醸成のため、独自装飾等に取り組んでいただいていることから、こうした取り組みを東京二〇二〇大会に向けて継続していただけるよう、補助制度等を通じた支援を行ってまいります。
 こうした地元での取り組みに加え、東京二〇二〇大会直前には、競技会場の最寄り駅やラストマイルのシティードレッシングを実施することで、ラグビーワールドカップの盛り上がりを東京二〇二〇大会につなげてまいります。
石川委員
ラグビーワールドカップのファンゾーンの経験なども、ぜひオリンピック・パラリンピックのラグビーにつなげていただければと思っております。
 ラグビーワールドカップを一過的なイベントとするのではなく、ラグビーファンやラグビーに取り組む都民をふやすなど、ラグビーの振興を図ることが重要であると考えますが、どのような方法を考えているのかお伺いいたします。
篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ事業調整担当部長ラグビーワールドカップ準備担当部長兼務
都はこれまで、大会一年前を初めとする節目イベントや、ラグビー日本代表戦に合わせたパブリックビューイングイベントを実施するなど、大会に向けた機運醸成を図ってまいりました。
 大会開催時には、多摩と区部に設けるファンゾーンにおいて、パブリックビューイングにおけるわかりやすい解説やラグビー体験など、誰でも気軽にラグビーに触れられるコンテンツを提供し、ラグビーへの関心を高めてまいります。
 また、ラグビーに取り組む都内の中学生を東京スタジアムでの試合観戦に招待することで、ジュニア世代のラグビー振興や競技力向上を図ってまいります。
 大会を通じたこのような取り組みにより、子供たちを含め、多くの都民がラグビーに親しみ、大会後のラグビー振興につながるよう、着実に準備を進めてまいります。
石川委員
十五人制、セブンズ、車椅子ラグビー全体を、ラグビーというくくりで全体で振興させていくというような視点をぜひ持っていただきたいと思います。
 次に、セキュリティーについてお伺いいたします。
 試合当日は、飛田給駅から東京スタジアム間など、ラストマイル上を中心として、試合前も、試合後も、長蛇の列となることは避けて通ることはできません。事故などトラブルがあったときの情報を歩行者に少しでも早く提供して、状況を理解していただく体制をとることも求められます。当然、外国人もいるわけであります。
 万が一、火災等の緊急事態が発生した際、警備員は、ラストマイル上の観客などに対してどのような連絡、広報をすることができるのかお伺いをいたします。
関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務
大会時に設置いたしますセキュリティー・医療本部が、火災等緊急事態の発生を認知または関係機関から情報提供を受けた場合につきましては、無線等を活用いたしまして、速やかに現場の警備員等に対して情報を伝達いたします。
 現場で雑踏警備や誘導に従事している警備員等は、拡声機を利用いたしまして、観客に対し、事実を明瞭、的確に伝え、冷静な行動を呼びかけるとともに、必要に応じて避難誘導を行います。
 特に海外からの来場者に対しましては、多言語機能のついた拡声機で対応したり、外国語対応が可能な警備員が対応することによりまして、不安感の払拭に努めてまいります。
石川委員
特に外国語については、それでなくても、当然いろいろ聞かれる可能性もあるわけでございますので、研修などでしっかりと対応しておいていただければと思います。また、オリンピック・パラリンピック大会も同じことがいえるんではないかなと思います。
 ラグビーワールドカップのセキュリティー、医療対策について、二〇二〇大会を見据えてどのような取り組みを行うのかお伺いいたします。
関口オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ会場運営担当部長国際大会準備担当部長兼務
ラグビーワールドカップの経験を東京二〇二〇大会につなげていくことはとても重要でございます。
 このため、東京二〇二〇大会を見据えて、庁内や関係機関と連携しながら、セキュリティー、医療対策の準備に取り組んでおります。
 ラグビーワールドカップでは、組織委員会が試合会場内、都が試合会場周辺及びラストマイルを担当いたしますが、この役割分担は、東京二〇二〇大会においても同様となりまして、組織委員会、警視庁、東京消防庁との連携におきまして、会場内外の切れ目ない対応が行えるよう、引き続き調整をしてまいります。
 特に外国人対応におきましては、各所に配置する警備員等が多言語機能のついた拡声機や翻訳アプリに加えまして、コミュニケーション支援ボードを活用する予定でございまして、その効果を検証することとしております。
 また、大会期間中の運営体制におきましては、東京二〇二〇大会の関連業務の職員が経験を積めるよう、配置の工夫を行います。
 ラグビーワールドカップのセキュリティー、医療対策を万全に行い、その成功を来年の東京二〇二〇大会へつなげるよう取り組んでまいります。
石川委員
東京スタジアムの周辺では、病床数三百二十ベッドの榊原記念病院や府中消防署朝日出張所、警察大学校、警察学校、東京外国語大学などがありまして、この地の利を大いに活用して、ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピックでも、この体制に生かしていただきたいと思います。
 最後に、意見として申し上げます。
 ワールドカップの関係で、宿泊について海外からの問い合わせが多いのがキャンピングカーだそうでございます。かつて庶民の憧れだったキャンピングカーは、昨今のアウトドアブームや自然災害への危機感などがあって、需要が右肩上がりになっております。そして、保有につきましては、現在、二〇一六年で、国内の保有台数は十万台を突破して、業界全体の売り上げは過去最高の三百六十五億円にも達しているというふうにいわれております。
 ワールドカップのように開催が一カ月半近くに及び、試合も全国各地で行われるわけで、こういったニーズにも東京都として応えていかなければならないと思うところでございます。
 手軽な旅行を手に入れたいという人がふえてきております。他人の視線を気にすることなく、乳幼児や愛犬と旅行を楽しみたいという人や、宿泊代を節約した分でぜいたくなものを食べたいというような、さまざまなキャンピングカーニーズというものが高まってきているわけであります。旅の個性化の新しい流れともいえるわけであります。
 キャンピングカー文化を日本で開花させるきっかけになる可能性もあるのかなと、そんなことも指摘をさせていただきたいと思います。
 最後に、大会はもう直前でございますので、ラグビーについての本委員会での審議は最後になるかもしれないということもございますので、一言申し上げたいと思います。
 私は、本委員会に出席をした際、初めに次のことを申し上げました。
 イングランド大会は、ラグビーの本場中の本場での大会で、またロンドン・オリンピック・パラリンピックを成功させた経験を十分生かした大会でありました、我が国の二〇一九年ラグビーワールドカップの開催は、アジアで初めてであり、しかも、イングランド大会後という厳しい条件の中での開催となりました、イングランド大会にどこまで迫れるかが現実的な目標となるのではないかと考えます、同時に、ラグビーの開催を機会に、ラグビーの振興、スポーツの振興、ラグビーの持つ教育的にすぐれた効果を生かしていくことや、国際化、全国各地で開催されることによる経済効果など、さまざまなシナジーを大いに引き出していくことが求められています、そして、大会を成功させ、オリンピックにつなげていくという大きな使命を首都である東京は担っているといっても過言ではないかと思います、きょうは、大会を何としてでも成功させたいとの立場から、何点か伺いたいと思いますということで、最初の審議に臨んだわけでございます。
 本委員会で最初に、先ほど来表明をした思いは、今も寸分たりとも変わっておりません。
 何としてでもラグビーワールドカップ日本大会を成功させ、大きなシナジーとレガシーを生み、残すことを願って、ラグビーワールドカップ日本大会についての私の質問を終わります。

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