report オリンピック・パラリンピック及びラグビーワールドカップ推進対策特別委員会速記録第三号 2017年9月21日

出席委員 23名

委員長
小山くにひこ君
副委員長
大松あきら君
副委員長
吉原 修君
副委員長
伊藤 ゆう君
理事
加藤 雅之君
理事
両角みのる君
理事
石川 良一君
理事
山崎 一輝君
理事
あぜ上三和子君
 
森澤 恭子君
 
川松真一朗君
 
栗林のり子君
 
龍円あいり君
 
いび 匡利君
 
白戸 太朗君
 
入江のぶこ君
 
山口 拓君
 
里吉 ゆみ君
 
谷村 孝彦君
 
桐山ひとみ君
 
とくとめ道信君
 
木村 基成君
 
高島なおき君
欠席委員
1名

出席説明員

オリンピック・パラリンピック準備局

局長
潮田 勉君
技監
相場 淳司君
理事
小山 哲司君
理事
延與 桂君
総務部長
中村 倫治君
調整担当部長
雲田 孝司君
総合調整部長
根本 浩志君
連絡調整担当部長
戸谷 泰之君
連携推進担当部長
丸山 雅代君
事業調整担当部長
高野 克己君
自治体調整担当部長
小池 和孝君
事業推進担当部長計画調整担当部長兼務
越 秀幸君
運営担当部長
田中 彰君
パラリンピック部長
萱場 明子君
障害者スポーツ担当部長
新田見慎一君
大会施設部長
鈴木 一幸君
競技・渉外担当部長
小野 由紀君
開設準備担当部長
鈴木 研二君
施設担当部長
砂田 覚君
施設整備担当部長
草野 智文君
施設調整担当部長
湯川 雅史君
輸送担当部長
片寄 光彦君
選手村担当部長
朝山 勉君
スポーツ施設担当部長
藤木 仁成君
スポーツ推進部長
小室 明子君
スポーツ計画担当部長
ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
国際大会準備担当部長兼務
川瀬 航司君
ラグビーワールドカップ準備担当部長
篠 祐次君

本日の会議に付した事件

二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九TMの開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。

報告事項(質疑)

  • 有明アリーナの管理運営に関する基本的考え方について
  • 共同実施事業管理委員会について
  • ラグビーテストマッチについて

閉会中の継続調査について

発言の抜粋

石川委員
 ラグビーテストマッチ機運醸成につきましてお伺いをいたします。
いよいよアジアで初めてのラグビーワールドカップ日本大会の開幕戦が再来年の九月二十日に迫ってきており、残された時間も二年を切りました。組織委員会が全国の自治体と協力をし、東日本大震災の復興支援を兼ねて、この大会を成功させなければならないと思っております。
昨年六月二十五日には、味の素スタジアムで日本代表はスコットランド代表と対戦し、このときは天覧試合として開催され、私も応援に行きましたが、惜しくも十六対二十一で敗れました。
二〇一九年ワールドカップの日本チームの目標はベストエイトに進出することですが、最低でも予選プールAで同組のアイルランド、スコットランドのどちらかに勝利をする必要があるわけであります。
そんな中、迎えたアイルランド代表とのテストマッチでも、時に味スタに駆けつけた二万九千三百五十四人の観客を沸かせましたが、アイルランド戦初勝利とはならなかったわけであります。残念ながら、今回は選挙戦ということでございまして、先ほどお話がありましたが、私も応援に駆けつけることはできなかったわけであります。
次は十一月四日土曜日、横浜の日産スタジアムでオーストラリア代表、世界ランキング四位との対戦が予定をされているわけであります。何といっても日本代表チームの強化が最大の課題になるわけであります。国内ではラグビートップリーグも開催をされ、またスーパーラグビーにサンウルブズが参戦をし、日本代表選手の強化を図ると同時に、二〇一九年ラグビーワールドカップ大会の機運醸成に寄与しているわけであります。
そこでまず、大会開催に向けて、この一年間の機運醸成活動についてお伺いいたします。
篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
 都は、昨年六月のテストマッチ以降、ラグビーワールドカップ二〇一九開催に向け、さまざまな場面で機運醸成のためのPR活動を行ってまいりました。
例えば、昨年十二月には、大会千日前イベントとして、東京タワーにてライトアップやステージイベントなどを行いました。また、ことし五月に行われたプール組分け抽せん会にあわせて、都庁舎内でパブリックビューイングを行いました。あわせて、TOKYOウオークなど都内各地で行われる都が主催、共催するさまざまなスポーツイベントなどにおいてブース出展を行い、大会の認知度向上に努めてまいりました。
さらに、子供たちにラグビーのおもしろさを感じてもらえるよう、ルールなどを解説した絵本を十六万部作成し、都内の全小学校に配布いたしました。また、誰もが気軽にラグビーの情報に触れられるよう、都のホームページにおいて、都内のラグビーイベントの紹介を行うとともに、大会PR動画やSNSを活用し、積極的な情報発信に努めてまいりました。
石川委員
 さまざまな手法を用いても、なかなか、まだまだ浸透し切れない状況でありまして、これからも一層の努力を求めておきたいと思います。
機運醸成について埼玉県では、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会並びにラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向け、平成二十七年十一月に知事をトップに県議会や市町村議会、県内の関係団体や企業等から成る二〇二〇オリンピック・パラリンピック、ラグビーワールドカップ二〇一九埼玉県推進委員会を設置し、オール埼玉体制で両大会の準備を進めているわけであります。四つの部会、機運醸成、ボランティア、多言語対応、文化教育を設けて具体的な取り組みを推進しているわけであります。
都も、今回のテストマッチにおいて、機運醸成等で民間を含めた他団体と連携し、どのような取り組みを行ったのかお伺いいたします。
篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
 二〇一九年大会に向けて大会機運を盛り上げていくためには、地元市初め都内自治体、民間企業等と連携した取り組みが重要でございます。
都は、今回のテストマッチ及びファンゾーンの開催に当たって、地元市には事前の広報やボランティア募集等でご協力いただくとともに、ステージイベントやPRブースの設置等を行いました。
また、都がスポーツへの積極的な取り組みをしている企業として認定した東京都スポーツ推進企業や、区市町村のスポーツ推進委員にもチラシやメールマガジンなどを活用し試合観戦を呼びかけました。
今後も、地元市を初め民間企業等と連携し、二〇一九年大会に向けて一層の機運醸成に努めてまいります。
石川委員
 東京都と埼玉県では規模などが違うわけでありますけれども、共通点も逆に多いわけであります。埼玉県では、自治体、議会、企業、メディアなども含めて組織化がされているわけであります。ぜひ倣うべき点は倣っていただきたいと思います。
昨年の対スコットランド戦は、天覧試合ということもあり入場者も多かったわけであります。ただ、機運醸成活動等を勘案すれば、前年を上回る必要があるわけで、しかも、先ほど来、指摘がありますように、キャパシティーは五万人もあるわけであります。ロンドンのトゥイッケナム・スタジアムや横浜国際総合競技場は約八万人を収容するキャパシティーがあるわけで、そのことを考えますと、二万九千人は少し寂しい、そんな思いがするわけであります。
来年のテストマッチでは、スタジアム、ファンゾーンの高い入場者目標を立て、達成のための全都的な努力が求められるわけであります。その一つとして、ファンゾーンは世界的なラグビーの楽しみ方の一つになっているわけでありますけれども、日本ではなじみが薄いわけであります。昨年も行われ、おおむね来場者の半分を呼び込むことができればということで実施をし、ほぼ目標は達成をしたというような報告が昨年ありました。
ただ、なじみの薄い分だけファンゾーンの存在に気づかず、スタジアム入場してしまう人も多かったわけであります。
そこで、ファンゾーンは昨年、アジパンダ広場、アミノバイタルフィールドだったものが、西競技場に変更となったわけでありますけれども、その理由をお伺いいたします。
篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
 昨年のテストマッチでは、スタジアム南側に隣接するアジパンダ広場でイベントを開催いたしました。そこでは、スタジアム入場者とイベント会場に向かわれる来場者の動線が交錯することや、駅やスタジアムの正面ゲートからイベント会場への行き方がわかりにくいといった課題が明らかとなりました。
そのため、今年度は、スタジアムにかかる連絡橋を分岐点として、試合会場への動線とファンゾーンへの動線をスムーズに確保できる、スタジアムの西競技場でファンゾーンを開催いたしました。
石川委員
 飛田給方面から西競技場に行くには橋を渡った時点で、即、階段を下っていくのが一番近いわけでありますけれども、そのような誘導をすることがまずは非常に肝心だというふうに思うわけでありますけれども、ファンゾーンのPRと当日の西競技場への誘導はどのような方法がとられたのかお伺いいたします。
篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
 今回のファンゾーンのPRについては、テストマッチのPRと一体的に、SNSの活用や交通広告の充実など、昨年以上に事前の広報PR活動を積極的に行いました。
当日は、案内のボランティアを観客動線に効果的に配置し、チラシやサインを用いてファンゾーン会場への案内誘導を行いました。
以上の取り組みにより、昨年度より多くの来場者にイベント会場に足を運んでいただいたと考えてございます。
石川委員
 ファンゾーンに来ていただき、楽しんでいただくためには、さまざまな工夫が必要なわけであります。ことしもラグビーに親しんで盛り上げるイベント、東京ラグビーファンゾーン二〇一七を開催し、実際にラグビーボールを使ってのラグビー体験ができるコーナーや、車椅子の格闘技ともいわれますウィルチェアラグビーを体験できるコーナー、元日本代表の、先ほど来話がありましたように、松尾雄治さんらとのトークショー、さらには対戦するアイルランドの料理などが味わえるフードコーナーなどで、日本代表を応援していただけるイベントとして工夫をされてきたわけであります。
そこで、飲食ブースの状況と課題についてお伺いいたします。
篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
 イベント当日は、アイルランド料理を初めとした提供メニューが好評であったことに加え、試合終了後もイベントコンテンツを充実したことにより、多くの方々に来場いただきました。
一方、当日は午前中から晴天に恵まれたことから、飲食ブースについて予想を上回る需要が集中し、一部購入を希望するお客様をお持たせする状況もございました。
今回の結果を踏まえて、本番に向けて飲食ブースの充実について検討してまいります。
石川委員
 東京や国内の素材を使った日本各地の郷土料理や世界の料理を食べ歩けるおもてなしの心や、世界の食文化にロハスの考え方を取り入れた健康と持続可能な社会のためのライフスタイルを提案することなどに取り組んではいかがかと思うわけであります。
ファンゾーンで食の紹介をしてはいかがかというふうに思いますけれども、お伺いいたします。
篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
 イベント当日は、飲食ブースにおいて、アイルランド、フランス、イタリアなど二〇一九年大会出場国や開催都市の料理を提供し、多くの来場客に楽しんでいただきました。
二〇一九年大会を契機として、ラグビーだけでなく、さまざまな参加国や地元多摩地域の食文化や物産にも関心が集まるよう、大会本番のファンゾーンでも魅力的なコーナーを企画、検討してまいります。
石川委員
 世界の都市の中でも食の最先端都市東京を知っていただき、楽しめる企画をぜひ組んでいただきたいと思います。
本番では、チケットを手に入れられなかったファンが、まさにファンゾーンに多く駆けつける企画も必要だと思うわけですけれども、入場者以外のファンゾーンの参加の取り組みについてお伺いいたします。
篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
 今回のファンゾーンでは、チケットのある方もない方も楽しめるよう、ラグビー体験を初めとする参加型コンテンツや、元日本代表の松尾雄治さんによる解説を交えたパブリックビューイングに加えて、地元市のブース出展やステージ出演、子供たちに人気のヒーローショーなどを実施いたしました。
大会時においても、多くの方に大会の雰囲気を楽しんでいただけるよう、魅力的なコンテンツの企画や情報発信に一層努めてまいります。
石川委員
 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
武蔵野の森総合スポーツプラザは、東京スタジアムに隣接して新しく建設された総合スポーツ施設であります。大規模なスポーツ大会やイベント興行が可能な施設で、四千八百平米のメーンアリーナ、サブアリーナ、トレーニングルームなど併設をされており、一万人以上収容できる施設となっているわけであります。
本年十一月には、武蔵野の森総合スポーツプラザがオープンをするわけでありますけれども、ラグビーワールドカップでの施設の活用はどのように考えているのか伺います。
篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
 本年三月に策定した会場運営計画では、大会時に必要なホスピタリティースペースを確保するため、東京スタジアムのレセプションルーム等の施設に加え、武蔵野の森総合スポーツプラザのメーンアリーナ棟を活用することとしております。
大会の円滑な運営を実現するために、東京スタジアムの各施設とともに、武蔵野の森総合スポーツプラザも有効な活用が図られるよう、今後も引き続き組織委員会と調整を進めてまいります。
石川委員
 雨が多い時期でありますので、雨天の際の活用方法などについても別途検討していただきたいと思います。
次に、交通アクセスについて伺います。
東京スタジアムは、ご存じのとおり調布市にあり、最寄り駅は京王線飛田給駅で、駅から徒歩五分、調布駅や西武線の多摩川線白糸台駅、多磨駅からも歩いていくことも可能でありますけれども、二十分から三十分かかるわけであります。
新宿、渋谷からは飛田給駅までそれぞれ乗りかえ一回で二十五分程度、飛田給駅は試合当日の試合前後は特急、準特急とも臨時停車をしているわけであります。京王線飛田給駅と甲州街道への人と車の集中を避けることが大きな課題になっているわけであります。
シャトルバスは試合前後に武蔵境駅、武蔵小金井駅、狛江駅、調布駅、多磨駅で運行されていたわけでありますけれども、交通アクセスの促進に努めているわけでありますけれども、シャトルバス利用の拡大の内容と今後の課題について伺います。
篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
 昨年のテストマッチでは、武蔵境駅、調布駅、狛江駅の三系統のシャトルバスを復路のみ運行いたしました。今回は往路でも西武多摩川線多磨駅を加えた四系統の運行を行い、復路ではさらに武蔵小金井駅を加えた五系統の運行を行いました。
今回のテストマッチでは、シャトルバスの乗降も円滑になされ、運行に当たり特段の混乱は生じておりませんでした。
より多くの観客の来場が見込まれる大会本番では、シャトルバスのさらなる利用拡大を図るため、積極的な広報や乗り場への適切な誘導、効率的な運行の確保などに取り組んでいく必要があると考えてございます。
石川委員
 前回といいますか昨年でありますけれども、提案をしております南武線や狛江駅以外の小田急線駅からのシャトルバス運行を拡大すべきと考えますが、考え方を伺います。
篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
 シャトルバスの運行ルートについては、バスの台数や発着スペースの確保、利用者のニーズ、運行ルート途中の交通状況などを踏まえて総合的に検討する必要がございます。
大会時により多くの観客を効率的に輸送できるよう、シャトルバスの運行ルートの設定について交通事業者や交通管理者など関係者と検討を進めてまいります。
石川委員
 シャトルバス運行も二〇二〇大会までつながる課題でもあります。ラグビーワールドカップも二〇二〇大会も、本番を想定しての運行にぜひ取り組んでいただきたいと思います。
続きまして、ボランティアについてお伺いいたします。
ロンドン・オリンピック・パラリンピックでは七万人のボランティアの方が活動し、リオ大会でも、途中不足したとはいえ、七万人のボランティアを募ったわけであります。昨年のラグビーワールドカップ、スコットランド戦では五十人のボランティアを募集いたしました。
二〇一九年のラグビーワールドカップの東京開催に向け、都は、ボランティアの育成や道路標識の多言語化など、翌年の東京オリンピック大会の準備についても二〇一九年を目標に進める方針を示しております。
東京都は、二〇二〇年までに都内全ての都道の道路標識に英語表記を加えるほか、外国人おもてなし語学ボランティアを五万人育成するなどの目標を掲げております。二〇一九年ラグビーワールドカップが、二〇二〇年の東京オリンピックのリハーサル的意味を持つとして、外国人観光客などへの対応は二〇一九年を目標に進めていることとなっているわけであります。
ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会がお互いに協力をする協定書を交わしました。同じ国、同じ地域で開催されるラグビーワールドカップ組織委員会と五輪組織委員会が協定を結ぶのは前例がなく、両組織委員会は、競技運営、警備及び輸送等に関する連携、ボランティアに関する連携、アンチドーピングに関する連携、開催会場設備、施設整備に関する連携、その他の大会の準備、運営における必要事項の五項目について連携協力を図ることになりました。この協定でさまざまな分野の情報共有がなされていくほか、ボランティアのトレーニング、コスト削減なども協力をしていくことになったわけであります。
両大会において、三都市、東京、横浜、札幌で競技場が重複することを受け、ラグビーワールドカップのセキュリティーやボランティアの経験がオリンピックにも役に立つことになるわけであります。
そこで、ボランティアのことについて質問予定でございましたが、先ほど、もう山口委員の質問で一定の答弁がございました。ちょっと細かい質問になりますけれども、六月のテストマッチの際の事前の研修体制やボランティア保険などについてはどうなっていたのか伺います。
篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
 ボランティアに対する研修については、都が区部と多摩地域で事前研修を実施し、ボランティアマニュアルに基づいて当日の活動内容や注意事項、来場者への案内に必要な情報などを共有いたしました。
ボランティア活動に関する保険については、今回のイベント全体としてイベント保険に加入して対応をいたしました。
石川委員
 ボランティアの育成をしっかりと進めることが二〇二〇大会にもしっかりとつながっていくわけでありますので、よろしくお願いしたいと思います。
続きまして、テロ対策について伺います。
このところのヨーロッパを中心としたテロ事件は、さまざまな手段がとられており、厳しいものがあります。我が国の公安調査庁によるヨーロッパのテロ発生件数の多い国は、フランスは件数、被害の大きさとも群を抜いているという報告がありました。
二番目に多いイギリスでは、二〇一七年三月から立て続けに三件の規模の大きいテロが発生しています。五月のテロでは、マンチェスターでアリアナ・グランデのコンサートの観客を狙った爆弾テロが起きてしまいました。
ドイツ、ベルギーも件数、被害も大きくなっております。
二〇一七年三月、四月にロンドン、ストックホルムで発生したテロは、車を暴走させ歩行者に突入するという手口でありました。車を使うテロは、爆弾テロと違って防ぐのが難しく、テロの危険性は増加をしているといえるわけであります。
鎮静化していたブリュッセルも、中央駅ではまた爆発物を用いたテロが発生をいたしました。中央駅や空港など人が集まるところが標的にされるリスクが高いわけであります。
このところのヨーロッパを中心としたテロ事件は、さまざまな手段がとられていて厳しいものがあります。ラグビーテストマッチ及び東京ラグビーファンゾーン二〇一七で、テロ対策、セキュリティー対策をどのように進めてきたのか、またペットボトルの持ち込みはどのような対応をしたのかお伺いいたします。
川瀬オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ計画担当部長 ラグビーワールドカップ会場運営担当部長
 国際大会準備担当部長兼務 今回のテストマッチ及びファンゾーンでは、テストマッチの主催者である日本ラグビーフットボール協会とファンゾーンの主催者である東京都が、警視庁、東京スタジアム等と連携して、それぞれの会場での来場者のセキュリティー確保に努めました。
具体的には、会場周辺に警察官、警備員を配置するとともに、駐車スペースや会場内の巡回警備、出入り口での手荷物検査を行いました。また、関係者出入り口でも入場許可証のチェックによる立ち入り制限を実施いたしました。
ペットボトルの持ち込みにつきましては、国内で行われてきたラグビーテストマッチの運営実績に基づき、今回のテストマッチ及びファンゾーンにおいても特段の制限は行いませんでした。
なお、二〇一九年大会時のスタジアムへのペットボトルの持ち込みにつきましては、今後、組織委員会が警察等と調整の上、決定していくものであり、ファンゾーンにつきましてもこの方針に準じて対応を行うこととなります。
今後、都としましても、二〇一九年大会に向けて組織委員会や警察等とより一層連携を密にし、来場者の安全確保に向けた対策について検討してまいります。
石川委員
 一昨年、稲城市役所で放火事件があったわけでありますけれども、石油に火をつけるという、そういった事例だったわけであります。石油だったということで燃え広がりも一定抑えられて、一部焼失ということで済んだわけでありますけれども、これがもし仮にガソリンだったら、本当にペットボトルぐらいのものでも全庁全体が焼失をした可能性もあった、そんなようなことも現場検証の中で指摘をされたわけであります。
東京ドームでもペットボトルの規制を既に行っておりまして、ペットボトル対策はぜひ進めていっていかなければならない課題だろうと思っております。
また、車によるテロなどについても、想定外というようなことにならないように、しっかりとした対策を講じていただきたいと思います。
続きまして、自治体連携について伺います。
公認チームキャンプ地選定プロセスは二〇一六年五月に発表され、十二月二十二日に応募受け付けが終了いたしました。応募件数は七十六件に上り、全国三十七都道府県にまたがる合計九十自治体の応募があったわけであります。
二〇一七年夏以降に公認チームキャンプ候補地が決定をし、その後、チームによる実地視察が行われ、二〇一八年春以降に順次、公認チームキャンプ地が決定をする予定となっております。
地元武蔵野市、府中市、町田市が公認キャンプ地として応募をしているわけであります。ぜひ選出されることを願っているわけであります。このことも、いずれはレガシーとなっていくわけであります。
今大会では、三鷹市、府中市、調布市がパフォーマンスステージを展開し、三鷹市、府中市、調布市、町田市が観光PRブースを出展したわけでありますけれども、地元三市や多摩地域を初めとする自治体との連携について伺います。
篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
 今回のテストマッチ、ファンゾーンの開催に当たっては、地元市には事前の広報やボランティアの募集などでご協力をいただくとともに、ファンゾーン会場における地元伝統芸能などの披露や観光PRブースの出展などで会場を盛り上げていただきました。
このような地元市を初めとした多摩・島しょ地域の自治体との連携は、二〇一九年大会を成功させる上で不可欠でございます。今後実施するさまざまな関連イベントやPR活動等においても、緊密な連携をとりながら、ともに二〇一九年大会を成功に導いてまいります。
石川委員
 オール東京都となる体制を求めていきたいと思います。
今回の試合のチケットの価格は、最高でも前売りで九千円、最低は小中学生向けで千円ということでございますけれども、ワールドカップの入場料は、決勝戦では席にもよりますけれども、六十万円以上というようなことになっておりまして、大変大きな負担をしても世界のファンが集まってくるわけであります。
国内でも購入をしてもらわなければならないわけであります。大きなお祭りというような、そんなような様相になるわけでありますけれども、試合以外にも負担に見合うようなサービスも当然必要になってくるかと思うわけであります。VIPに対する対応はどのように行ったのかお伺いいたします。
篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
 多摩・島しょ地域の首長など都の招待者のうち、自動車で来場された方には、東京スタジアムに隣接する武蔵野の森総合スポーツプラザの駐車場をご利用いただき、試合会場やファンゾーン会場へのアクセスが向上いたしました。また、同プラザのコンコース広場及びスタジアムへの接続橋には誘導員を配置し、試合会場及びファンゾーン会場に円滑かつ安全に移動していただくことができました。
二〇一九年大会時には、より多くのVIPの来場が見込まれることから、スタジアムやファンゾーン会場への円滑な動線の確保について、さらに検討を進めてまいります。
石川委員
 VIP対応として、プライベートジェットが便利に離発着できる空港の確保、ぜひ検討していただきたいと、これも以前から提案をしているわけでありますけれども、具体化をしていただきたいと思います。
一昨年訪問いたしましたバーミンガム大学も、学生にとっても大学にとってもすばらしい経験だったという話を直接聞かせていただきました。特に、今後、通訳のサービスなどが重要になってくるわけであります。二〇一九年に向けて、東京外国語大学を初めとする各大学とどのように連携を進めていくのかお伺いいたします。
田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長
 東京都では、官民さまざまな団体が参画する東京都ボランティア活動推進協議会を設置いたしまして、都市ボランティアの運営体制や活動内容等につきまして、ご意見をいただきながら検討を進めており、協議会には東京外国語大学にも参画いただいております。
協議会での検討も踏まえながら、東京外国語大学を含めまして、多くの大学生に大会のボランティアとして参加していただき、大会を盛り上げていただけるよう取り組んでまいります。
石川委員
 東京外大はもうスタジアムのすぐ目の前にあるわけでありますが、そういう意味では、学生さんはその地域の土地の状況などもよくわかっているわけでありまして、そういう点も含めて、しっかりとボランティアとして組み込んでいただけるように努力をしていただきたいと思います。
東京スタジアムと横浜国際総合競技場は近距離で、開幕戦、決勝戦という大きな試合が行われるわけでありますけれども、開催自治体としてどのような協力体制をとっているのかお伺いいたします。
篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
 横浜国際総合競技場は、首都圏であることに加え、決勝戦が開催されることから、多数のVIPが来場することが予想されるなど、開会式、開幕戦が行われる東京スタジアムと共通する点が多くございます。
このため、開催都市である神奈川県横浜市との連携は不可欠であり、日ごろから大会の準備状況や会場運営に関する課題について意見交換をするなど、大会運営のノウハウや情報共有を実施しているところでございます。
二〇一九年大会の成功に向け、開催機運をさらに盛り上げるためにも、それぞれが開催するイベントで相互にPRを行い集客向上につなげるなど、両自治体とは今後もさらなる連携強化を図ってまいります。
石川委員
 十一月には対オーストラリアということでのテストマッチも予定をされておりますので、ぜひしっかりと情報収集、あるいは連携を深めていただきたいと思います。
最後に、今回のテストマッチ及びファンゾーンで喫煙対策はどのように進められたのかお伺いいたします。
篠オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
 テストマッチ会場については日本ラグビー協会が、ファンゾーン会場については都がそれぞれ喫煙可能な場所を限定し、分煙対策を実施いたしました。
石川委員
 今後、都の受動喫煙防止に関する条例化が進んでいくわけでありますけれども、ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピック二〇二〇大会では、国際標準となっている受動喫煙対策にしっかりと取り組んでいただくことを求めて、質問を終わります。

参照元について

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