report オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会速記録第四十四号 2016年12月6日

出席委員 21名

委員長
高島なおき君
副委員長
吉倉 正美君
副委員長
秋田 一郎君
副委員長
吉原 修君
理事
遠藤 守君
理事
小山くにひこ君
理事
山崎 一輝君
理事
相川 博君
理事
吉田 信夫君
 
菅野 弘一君
 
おときた駿君
 
川松真一朗君
 
山内れい子君
 
まつば多美子君
 
石川 良一君
 
とくとめ道信君
 
谷村 孝彦君
 
今村 るか君
 
畔上三和子君
 
立石 晴康君
 
川井しげお君
欠席委員
2名

出席説明員

オリンピック・パラリンピック準備局

局長
塩見 清仁君
次長理事兼務
岡崎 義隆君
技監
上野 雄一君
技監
三浦 隆君
技監
小野 恭一君
理事
小山 哲司君
総務部長
鈴木 勝君
調整担当部長
雲田 孝司君
総合調整部長
児玉英一郎君
連絡調整担当部長
岡安 雅人君
連携推進担当部長
丸山 雅代君
自治体調整担当部長
井上 卓君
事業推進担当部長計画調整担当部長兼務
戸谷 泰之君
運営担当部長
田中 彰君
パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務
萱場 明子君
大会施設部長
根本 浩志君
競技・渉外担当部長
小野 由紀君
開設準備担当部長
鈴木 一幸君
施設担当部長
花井 徹夫君
施設整備担当部長
小野 幹雄君
輸送担当部長選手村担当部長兼務
朝山 勉君
スポーツ施設担当部長
田中 慎一君
スポーツ推進部長
小室 明子君
ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務
土屋 太郎君

本日の会議に付した事件

二〇二〇年に開催される第三十二回オリンピック競技大会及び第十六回パラリンピック競技大会並びに二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた調査・検討及び必要な活動を行う。

報告事項(質疑)

  • 四者協議について(説明)
  • 東京二〇二〇大会に向けたボランティア戦略(案)について(質疑)
  • 閉会中の継続調査について

発言の抜粋

石川委員
私の方からも何点かお伺いいたします。
東京二〇二〇大会に向けたボランティア戦略案では、九万人以上のボランティアを募集するとのことでありまして、多くの都民が興味、関心を持ち、積極的に参加していただくため、何よりもボランティアへの参加機運醸成が重要であり、まずは機運醸成の視点から質問させていただきたいと思います。
先日のリオ大会では、カラフルなユニホームを身につけたボランティアが活躍をしておりました。このユニホームは、各ボランティアに与えられるもので、大会に参加した記念品として、本人のモチベーション向上につながると聞いております。
こうしたボランティアのユニホームは、都と競技会場のある自治体との間で同じデザインとすることで、全国的に参加したいという方がふえると考えますが、ユニホームの共通化についてお伺いいたします。〔委員長退席、吉原副委員長着席〕
田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長
都が運営いたします都市ボランティアと都外の競技会場を有する自治体が運営する都市ボランティアが効果的に活動できますよう、必要な部分につきまして一体的な取り組みを推進し、都市ボランティアのユニホームに関しまして統一的なデザインを採用することについて検討してまいります。
石川委員
十一月二十五日に行われました有識者らによる東京ブランドのあり方検討会において、都の観光ボランティアの制服見直しについての議論がなされました。
その際、参加されたデザイナーのコシノヒロコさんの意見として、着るとピエロみたいになると。二〇二〇年東京五輪パラリンピックに向け、上質なデザインができることをアピールするチャンスだというような話があったことが報道されております。
インターネットなどでは、現在のユニホームデザインについて、ださいとか着たくないとかの否定的な意見が多いとの報道もなされたわけであります。
二〇二〇東京大会の機運盛り上げに当たって、東京都はもちろんのこと、全国的な何らかの展開を図っていく必要があり、その展開の一つとして、オリンピック・パラリンピック大会のボランティアのユニホームは格好のアイテムというふうにいえるのではないかなと思います。
都と競技会場のある自治体との間では、統一的なデザインを採用するということでございますけれども、大会ロゴと同様に、ユニホームのデザインを全国公募すべきというふうに考えますが、見解をお伺いいたします。
田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長
ユニホームのデザインの選定方法につきましては、今後の検討となりますが、ボランティアの方々が活動意欲を高め、一体感や誇りを感じられるようなユニホームとなるよう取り組んでまいります。
石川委員
ぜひ盛り上げの一環として、数案用意をして選択してもらうなど検討していただきたいと思います。
大会ボランティアの機運を高めるには、社会人だけでなく中高生の参加を促すことも重要でございます。産業労働局では、中高生を対象として外国人旅行者に都内の観光案内等を行ってもらうボランティア、おもてなし親善大使の育成に取り組んでいるわけであります。
本年、新たに中学生百十二名、高校生百十六名の二百二十八名が親善大使となり、十月二日に任命証の授与があり、盛り上がったというふうに聞いております。
二〇二〇年大会における中高生のボランティア活動への参加についてお伺いいたします。
田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長
次世代を担う子供たちが大会のボランティア活動を通じて社会貢献活動への意欲、関心を高めるとともに、大会に参加することで人生の糧となるかけがえのないレガシーを、子供たちの心に残していくことが重要でございます。
そのため、多くの中学、高校生が大会のボランティアとして活躍できるよう、教育庁と連携いたしまして、都内の中学、高校生が学校行事や部活動として大会のボランティアに参加できるよう検討してまいります。
石川委員
おもてなし親善大使は、おもてなしの心を持って都内観光スポットで外国人旅行者を案内するとなっており、都内観光地、歴史、文化等の知識と英会話力、外国人へのおもてなし方法の知識などが必要となり、そのための研修を受け、さらに実践をするということがボランティアである中高生の人間的成長を見込める、そして、中高生自身の未来に対する夢を育むための大変意義の深い試みだと思われるわけであります。
ボランティア活動をすることによってポイントを進呈し、そのポイント数で大会後表彰する制度などは、ポイント制度にはさまざまな意見があるわけでありますけれども、特に中高生の参加を促す上で有効と考えるわけであります。
ボランティア文化の国内での定着に当たって、二〇二〇東京大会はその先鞭をつける絶好の機会にあるわけでございます。ぜひそうした観点から、適切で持続的な対応が必要であることを指摘しておきたいと思います。
さまざまな工夫をして、中高生の参加意欲を高めてもらうとともに、ラグビーワールドカップ二〇一九においても、中高生がボランティアとして参加できるよう検討を進めてもらいたいと思います。
次に、サラリーマンなど働く方々の参加促進について伺います。
いうまでもなく、サラリーマンなど、仕事を持って働く人々は、ボランティア参加の意欲はあっても、時間の制約で事実上参加困難な人が多く、また二〇二〇大会期間中もその状況は変わらないと思うわけであります。
こうした人々が土日の休みを活用して、大会のボランティアとして参加しやすくするなどの仕組みを検討すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。〔吉原副委員長退席、委員長着席〕
田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長
多様な方々にボランティアに参加いただくためには、働く世代のボランティア参加を促進していくことが重要でございまして、大会に向けまして、ボランティア休暇の普及促進について国や関係機関と連携し、検討してまいります。
また、都市ボランティアにつきましては、働く世代が比較的参加しやすい日数、時間といたしまして、戦略案では一日五時間、五日以上を想定いたしておりまして、これは連続させる必要はございませんので、土日などの休日、夏休み等を活用し参加していただきたいと考えております。
石川委員
サラリーマンの方などの中には、語学能力の高い方も多くおいでになるわけであります。また、広く日常的な活動として、ボランティア活動を普及させ、根づかせる、これは少子高齢化が進んでいく我が国の喫緊の課題の一つともいえるわけであります。将来への社会意識の改変を促す方途として、さまざまな工夫をしていただきたいと思います。
次に、ボランティアの暑さ対策について伺います。
二〇二〇年東京大会の期間は、七月二十四日から九月六日であり、夏の暑い盛りに行われるわけであります。
ボランティアの年齢基準は、平成三十二年、二〇二〇年四月一日時点で満十八歳以上となっており、当然、六十歳以上の方もボランティアに参加をされるわけでありますけれども、東京大会を支えるボランティア自身の暑さ対策が当然必要になると思うわけであります。
猛暑からボランティアを守る対策が不可欠というふうに思うわけですけれども、見解をお伺いいたします。
田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長
大会時には、屋外におけるボランティアの配置が必要となることから、暑さ対策を適切に実施することが必要でございます。
適切な休憩時間や休憩場所の確保、水分補給に関するボランティアへの注意喚起など、ボランティア活動の安全な運営に向けまして、今後組織委員会と連携し、具体的に検討してまいります。
石川委員
観客が会場付近でぐあいが悪くなった場合にも、その近くにいる案内役の都市ボランティアが最初の対応を行うのが効果的であるというふうに考えますけれども、見解を伺います。
田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長
戦略案では、防災、防犯、救命救急等に関する知識を都市ボランティアに生かすことのできる経験や資質として挙げてございます。
また、ボランティア一人一人がそれぞれの役割を果たす上で必要な知識やスキル、これを習得する役割別の研修等におきまして、救命講習等の実施を関係機関と連携し、検討してまいります。
石川委員
東京大会で懸念されることとして、いつ起こるか知れぬ大地震などの自然災害があるわけでございます。
多言語対応の一つとして、大きな地震が起きたときの対応の仕方を外国人に周知させるための方策も必要でございます。地図やガイドブックなどが配布資料として挙げられておりますけれども、そこに地震対応としての避難マニュアルを付記することなども一つの方法だと思われます。
また、そのほかにも簡単なフライヤーやネットでの告知などを検討していただきたいと思います。
また、既に周知されております「東京防災」の英語版、中国語版、ハングル版などをもととした外国人向けの簡易マニュアルを作成することもぜひ進めていただきたいと思います。
次に、大会期間中のボランティアの運営について伺います。
先日、報告をされましたリオ大会の視察報告書によりますと、都市オペレーションセンターにシティーホストの各クラスターマネジャーを配置し、交通状況、観客動向などをモニターで確認し、適宜現場に指示を出し、スタッフの配置場所、人数を柔軟に調整したとありますが、合理的なシステムだというふうに思われるわけであります。
東京大会においても、観客の動向などに応じて都市ボランティアの配置等を柔軟に調整すべきと考えますが、見解を伺います。
田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長
リオ大会では、都市オペレーションセンターにおける情報収集に加えまして、組織委員会と連携し、チケット販売状況も踏まえ、シティーホストを配置するなど、開催期間中に運用の改善が図られておりました。
こうしたリオ大会の取り組みも踏まえまして、観客数に応じ適切なボランティアの配置を柔軟に行うための効果的な方法につきまして、今後、組織委員会など関係機関とも十分に連携を図りながら検討を進めてまいります。
石川委員
情報を集中させる中央管理部門があり、情報の幹となる部分があり、枝葉となる部分があり、そこでの情報流通が過不足なく常時行われることは、巨大イベントにおいてその命を支え続けることにつながるわけであります。そこで情報流通が麻痺し、ストップすることは、巨大イベントにとって致命傷になるわけであります。今後のボランティアの研修会においても、この構図を明確にしていくこと、そこに大会の成功がかかっていることを確認しておきたいと思います。
日本という国が外国から好感を持たれる大きな要因は、その安全性にあるといわれております。安全であることは、今後さらに観光立国としての顔を持とうとしている我が国においても、極めて重要なわけであります。
治安の安全な国であり、しかも外国人に対しておもてなしの国であり、病気になっても、何らかの非常事態が発生しても、的確なケアが整備されている国であり、都市であることをぜひアピールできるようにしたいと思います。
最後に、レガシーについて伺います。
大会を契機に盛り上がったボランティア活動の機運をさらに高めていくには、過去の大会の取り組みが参考になるわけであります。今回の二〇二〇東京大会のボランティア活動をレガシー化するに当たって、イギリスには約五十万のボランティア団体が存在するといわれております。
ロンドン大会では、大会後もボランティア活動が盛んに続いていると聞いておりますけれども、ロンドンにおけるレガシー化の取り組みについてお伺いいたします。
田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長
ロンドン大会では、大会後、ロンドン市がさまざまな地域イベントでのボランティア活動をあっせんするボランティアプログラム、チーム・ロンドンを実施いたしまして、現在も引き続き運営されております。
大会期間中に活躍したロンドン・アンバサダーは、大会後も観光客が多い夏季とクリスマスシーズンに期間限定で復活いたしまして、主要観光拠点におきまして観光客に対する案内を行っております。
また、ボランティアの機運をさらに拡大し、地域の草の根スポーツに生かすことを目的といたしまして、中央政府や民間企業などからの資金提供のもと、慈善団体ジョイン・インが設立され、ボランティア活動を推進する各種キャンペーンの実施やボランティア機会を検索できるサービスを提供しております。
石川委員
二〇二〇東京大会後にボランティア文化の定着を図る上で、平成二十八年二月に共助社会づくりを進めるための東京都指針を策定し、平成二十八年度、東京都共助社会づくりを進めるための社会貢献大賞を創設いたしました。これは、生活文化局の事業ということになるわけであります。
また、先ほど質問させていただきましたおもてなし親善大使制度は、産業労働局の制度ということで、福祉関係のボランティア団体も多数存在をしているわけであります。
こういった他制度や事業をボランティアという分野で横串を刺し、相互に連携していく機会としていただきたいと思います。
大会に参加したボランティアが大会後も引き続き活動できるよう取り組むべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長
二〇二〇年大会に参加したボランティアが大会後も継続して活動できるよう、ボランティア休暇制度の活用促進など、ボランティアに参加しやすい環境づくりの推進、ボランティア募集等の情報提供のあり方、活動希望者と活動機会のマッチングを図るための仕組みづくりにつきまして、関係局と連携し、検討してまいります。
こうした取り組みにより、大会を一過性のもので終わらせずに、大会後もボランティアへの参加機運を維持、継続させるとともに、さまざまなボランティア活動への参加につなげてまいります。
石川委員
今、我が国では地域のコミュニティ力が弱まっているといわれております。しかし、一方では、防災力や防犯力などは、地域と連携することで、いわゆる地域力を高めることで、その効果が高まることが明らかになっております。
防災、防犯にとどまらず、子供たちを育てる教育力も、お互いに助け合う地域福祉に当たる相互扶助力も、今ほど求められている時代はありません。この地域力の原点がボランティア力であります。
オリンピック・パラリンピックを通じてボランティア力の醸成が達成され、レガシーとして地域力の向上に結びつくよう、大いに盛り上げていかなければならないことを申し上げて、質問を終わります。

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